NHK「クローズアップ現代」が、景気回復で人手不足だと
報じていた。
キツネにつままれたような不思議な報道だ。
新聞その他もアベノミクスで景気回復して、売り手市場
になり、求人難だという。
4月の求人倍率は1・08倍で、バブル後最高だという。
本当なら大変喜ばしいことで、働きたい人は就職活動
すれば、全員働けるはずだ。
だが正社員の求人倍率は0・61倍で、前月を下回っている。
求人は非正規が中心で、企業が出した求人のうち、
採用に結びつくのは2割にとどまる。
失業率は3%台で変わっていない。
もちろん失業率には、もう就職をあきらめてしまった人は
入っていない。
日本にはニートが60万人もいる。
こういう事実は隠されている。
優秀な人材は囲い込みたいから、正社員を増やす企業も
出てきている。
したがって有名企業は「肉食系」のアグレッシブな人材で、
彼女を大切にするような人材は要らないという。
ブラック企業は非正規でいつでもリストラできる人材を
欲している。
提案力があって、アグレッシブに働く人材も少ないし、
ブラック企業で先の保証のない奴隷になる人材も少ない。
せっかく日本の生産人口が減ってきて、若者が就職できる
間口は広がってるはずなのに、条件が厳しい。
特に優秀な人材と、3Kでも耐える外国人、上と下を
移民で補強したいという新自由主義の要請に従って、
世論が作られていくのだろう。
NHK「クローズアップ現代」は、数週間前まで
「女性たちの貧困・新たな連鎖の衝撃」という報道を
していた。
あの貧困女性たちは今頃、ステキな就職先が見つかった
のだろうか?
ようするにNHKは安倍政権へのゴマすりを始めた
ということだ。
ついに権力への迎合に舵を切った。
NHK経営委員会に、安倍政権が送りこんだ極右委員たちが
気に入るような番組を作り始めた。
こうしてファシズムは進んでいく。